2017年3月7日、特許庁は岩手県岩泉町の松茸「岩泉まつたけ」を地域団体商標として登録した。ブランド化による地域の知名度アップにより地域活性化を促進したいとしている。
(参照:中身がすごい!岩手県八幡平市の「マタギラーメン」 商標登録で知名度UPへ

「岩泉まつたけ」の商標権者は岩泉まつたけ事業協同組合となっている。岩手県岩泉町は古来よりの松茸の産地であり、緯度の高さから出荷が早いのが特徴である。

同協同組合が認定した「岩泉まつたけマイスター」と呼ばれる買い付け人が7人おり、岩泉町周辺で採取された松茸の大きさ、形、色、香りの良質なものだけを選別して「岩泉まつたけ」として出荷できることとなっている。毎年約5トンの松茸を出荷しており、甘みと白い色が特徴となっている。

2010年頃より同協同組合は岩泉商工会と共に地域団体商標登録を目指し取り組んできた。岩泉まつたけ祭りを開催するほか、町内飲食店で松茸料理を提供するイベントなどを実施し、2015年からはふるさと納税者への収穫体験を行なっている。

「岩泉まつたけ」が、岩手県岩泉町だけで流通するとすれば、その地域内において偽物が流通したとしても、それは誰の眼にも明らかなので、偽物が流通する可能性は低いでしょう。

しかし、「岩泉まつたけ」が日本全国に流通するとした場合には、本物の「岩泉まつたけ」を知らない人が多い地域に流通することになるわけですから、例えば、「岩泉まつたけ」のブランドで外国産のまつたけを販売業者が出てくることも十分予測できます。

生産地以外の広い地域への販売を考えた場合、このように偽物が出回る可能性がどうしても高くなるわけですが、その対策としては、地域団体商標登録が非常に有効です。

地域団体商標登録を行えば、偽物を流通させた事業者に対して、偽ブランドの使用差し止めや、損害賠償の請求ができるようになります。また、そういった請求ができること自体が、抑止力となり、偽物の流通を予防する効果を持ちます。