2021年、特許庁は京都の法衣「京法衣」を地域団体商標に登録した。ブランディングアップならびに知財保護を目指している。 (参照:京都の伝統和紙「黒谷和紙」が地域団体商標として登録

商標権者は京法衣事業協同組合となっている。「京法衣」は僧侶が着る御袈裟や法衣のなかでも京都で培われたものを指す。法衣の形態などは各宗派によって異なるものの、主に京都で伝統を重ねてきた西陣織を使用した法衣を京法衣と呼んでいる。

法衣は袈裟、袈裟の下に着る衣服、寒冷地で着用される下衣、中国で使用されている直綴や編杉などを含む、僧侶が着る衣服の総称となっている。

同組合は京都の京法衣製造販売業者53社で構成されている。ここで製造された京法衣は全国の本山や寺院で使用されており、老舗として信頼されている。

地域団体商標には地元に立脚し、大多数から確固としたブランドとして認められているものが登録されており、京都では「京人形」「京友禅」「京仏壇」など伝統的な工芸品などが多数含まれている。

地域団体商標登録に関する審査基準によると、「京法衣」は、工芸品等の商品に該当すると考えられますが、工芸品等の場合、地域団体商標として登録を受けるためには、少なくとも地域が属する一都道府県における多数の需要者に広く認識されていることを要する、と規定されています。

京都が僧侶が着る御袈裟や法衣の産地であることは、京都の西陣織が非常に大きな知名度を有していることから、京都府内に限らず、全国的にの多くの方が何となく知っていることだと思います。そういった観点からは、京都が産地である工芸品等は、地域団体商標登録がされやすいと言えます。

地域団体商標登録を行うことによって、ブランド力により一層磨きがかかり、販売促進、ひいては地場産業の振興に、多いに役立ちます。