2021年4月8日、特許庁は北海道の海産物「枝幸ほたて」を地域団体商標に登録した。知名度アップおよびにブランディングアップにより、町内の経済と雇用を支えたいとしている。 (参照:特許庁、北海道特産の「にいかっぷピーマン」を地域団体商標に登録

商標権者は枝幸漁業協同組合、および枝幸水産加工業協同組合となっている。「枝幸ほたて」は、北海道オホーツク海に面している枝幸町の特産品であり、流氷の接岸と森林からの河川の流入により豊富な栄養素が注ぎ込まれ、上質なほたてが育つロケーションとなっている。

こうした立地をいかし、ほたての稚貝を放流し、海底で4年間育成させたのちに収穫するという地撒き式を採用、年間約3万トンの水揚げ量を誇っている。「枝幸ほたて」はグリコーゲンやアミノ酸が豊富に含まれており、旨味や甘味のある美味なテイストの海産品である。

また、体に優しい食品としても注目を集めている。今後はふるさと納税返礼品やオンラインショップでの販売に商標を活用するとともに、供給体制の強化を図る方針だ。

今回地域団体商標登録を行った商標権者は、今後はふるさと納税返礼品などで「枝幸ほたて」のブランドを活用したいと考えているようですが、地域団体商標とふるさと納税の関係は、見逃すことができません。一例をあげると、青森県平川市のJA津軽みらいでは、2016年7月に同地区で生産される桃について「津軽の桃」の地域団体商標登録を行いましたが、その結果、ふるさと納税での2018年の桃の申込件数が、前年の14倍にまで跳ね上がったと言われています。

従って、今回地域団体商標登録を行った「枝幸ほたて」にも、枝幸町のふるさと納税に関し、同様の効果が出る可能性があります。そうなれば、地元のほたて関連事業者の方に、非常に大きな恩恵を与えることになるでしょう。