2020年5月、特許庁は大分産レモン「マリンレモン」を商標登録した。今後も知名度アップに向けて積極的に取り組む姿勢だ。 (参照:特許庁、「見守り付き高齢者アパート」を商標登録

商標権者はJAおおいた南部事業部となっている。「マリンレモン」は大分県佐伯市にある海岸線沿いの鶴見沖松浦、海崎、大入島地区で栽培されている農産物である。同地区の10件の農家と2社の法人が20ヘクタール以上の農地で栽培を行っており、九州と四国の間に横たわる豊後水道からの海風と九州の豊かな太陽によって育まれている。

1980年から大分県で始まった「一村一品運動」では各地区でそれぞれ一つの特産品を育てることにより地域の活性化を図ったが、その際に同地区で栽培が開始された。1984年に初出荷され、その際に当時の大分県知事によって「マリンレモン」と命名されたという逸話がある。

「マリンレモン」の最大の特徴は、甘い香りと皮も食べられるフルーティなレモンであること。油と混ぜてポン酢の代わりにしたり、たこ焼きやホットハチミツ、炭酸水で割っていただくなどさまざまなアレンジが楽しめる果実となっている。

農産物に関する登録で、農業協同組合が出願者だと、地域団体商標がすぐに思い浮かびますが、今回は、商標登録の事案です。

地域団体商標として登録するためには、ネーミングに地名が入っている必要がありますが、今回登録された「マリンレモン」には、「大分」とか「佐伯」などと言った地域名が入っておりませんので、地域団体商標としての登録な不可能です。

地元の農業協同組合が出願者となり、地元産の農産品をブランド化しようとする場合、「地域名+○○」というネーミングにした方が、馴染むような気もします。実際、そういった形式で地域団体商標登録が行われたケースは数多くあります。

しかし、「地域名」を入れないことによって、大分県佐伯市以外の農家と、当該ブランドのライセンス契約を結ぶことができるなどというメリットが生まれます。今回の事例は、地域団体商標登録と通常の商標登録の違いを考える上で、好材料と言えます。