2019年、山梨県甲斐市の「甲斐の桑パウダー」および「甲斐の桑茶」が特許庁により地域団体商標に登録された。今後は地域ブランドのさらなる展開が期待されている。(参照:岡山県で「笠岡ラーメン」が地域団体商標に登録

商標権者は甲斐市商工会となっている。「甲斐の桑パウダー」および「甲斐の桑茶」は、良質な桑畑が広がる甲斐市の特産品として生産されている。過去に養蚕が産業として発達してきた甲府盆地の登美の丘には、養蚕に不可欠な桑畑が広がっている。

「甲斐の桑パウダー」は桑の葉を厳選し独自の製茶方法で生産された粉末パウダーである。カルシウムや鉄分、食物繊維といったせいぶんを豊富に含み、料理やスイーツ、ドレッシング、スムージーなどにアレンジできる。「甲斐の桑茶」は桑の葉100%から抽出された桑茶を、ティーバッグに充填した茶葉である。

包含されるGABAやDNJ、ビタミン、カルシウム、鉄分およびマグネシウムといった成分から、ダイエット食品としても注目を浴びている。

地域団体商標制度の導入の趣旨は、地域を超えて、全国的な周知性を獲得していく段階にある商標を第三者が便乗使用する行為を排除することであると言われています。従って、地域団体商標登録を行うブランドの多くは、地域団体商標登録をきっかけにして、ブランドの全国展開を行うことを考えています。

最近では、流通する農産物のかなりの割合が安価な輸入品で占められるようになってきています。こういった状況下で、地域の農業生産者が生き残るためには、輸入品では実現できない高品質な農産物を、地域の枠を超えて全国的に販売してことがどうしても必要です。

その際に、地域団体商標登録をしておけば、全国に周知しておく段階での第三者の便乗使用を防止できるので、大きなメリットをもたらします。