2019年9月20日、岡山県笠岡市のご当地グルメ「笠岡ラーメン」が特許庁において地域団体商標に登録された。今後は、ご当地ラーメンの全国展開ブランディングを推進していく。(参照:岡山県井原市「井原デニム」、地域団体商標に

商標権者は、笠岡商工会議所となっている。「笠岡ラーメン」は鶏がらスープと煮鳥チャーシューが特徴の、笠岡独特のラーメンである。笠岡では戦前から養鶏と製麺が盛んであり、鶏がらスープと煮鳥チャーシューのラーメンが食されてきた。

1958年、創業の地元ラーメン店「坂本」で笠岡ラーメンが提供され始め、その後、地元ラーメンとして発展を遂げ、現在では笠岡市内の30数軒のラーメン店で提供されている。地元老舗店のひとつが、新横浜ラーメン博物館に出店もしている。

2009年、「ラーメンのまち笠岡全国展開プロジェクト」が創設された。毎年、市内のラーメン店が出店するイベントを開催するほか、ガイドマップ作製などブランディングを続けてきた。

今後は、「笠岡ラーメン」のブランドを使用するには、笠岡商工会議所への加入と許可が必要となる。

特許庁が出している「地域団体商標ガイドブック・2019年版」を見ると、ラーメンで地域団体商標を取得しているのは、山形県の米沢ラーメンと、和歌山県の和歌山ラーメンの2つのみで、意外にも、札幌ラーメンや喜多方ラーメンなどの全国的な知名度を有するラーメンは、地域団体商標としては登録されていませんでした。

麺類の分野では、そば・うどん(素麺)で地域団体商標登録しているブランドは多数あるのですが、ラーメンは食品として人気の割には、登録数は少なくなっています。

とはいえ、地域団体商標登録した場合には、様々なメディアにブランドがのることにより、全国に幅広く、岡山県笠岡市の「笠岡ラーメン」を宣伝することができます。

権利者である笠岡商工会議所では、笠岡ラーメンの全国展開を考えているとのことですが、今回、地域団体商標登録をしたことが、それに大きなメリットを与えることは間違いありません。