2018年10月26日、大阪府住宅供給公社は団地リノベーション「ニコイチ」を商標登録した。今後も若年層に魅力ある住宅を提供し、活気ある団地作りや地域作りに貢献することを目指している。 (参照:福島県の高校、フラガールキャラを商標登録

商標権者は大阪府住宅供給公社となっている。団地リノベーション「ニコイチ」とは、隣り合った2戸の住居を1戸につなぎ合わせ、子育て世代などの若年層にも団地を活用してもらおうという取り組みである。

2015年度に事業を開始し、これまで16のプラン、19戸をすでに提供している。これまでの2軒分の面積があるので、リビングやダイニングなどが自由に設計でき、デザイン性の高いリノベーション物件を団地で実現している。

設計プランを建築家から広く公募することで意欲的なコンセプトを持った、多様なプランニングが可能となっている。また、2017年のグッドデザイン賞を受賞している。

高齢化や人口減少といった現代社会の課題に取り組む能力を秘めていることが内外から高く評価されている。

「ニコイチ」とは、2つの部屋の壁を抜いて1つの部屋にする住宅リフォームの呼び名として普通に使われている名称のようです。商標法第3条第3項では、役務の提供方法、態様、効能などを普通に用いられる標章のみからなる商標は、拒絶査定となると規定しています。

このような規定が設けられているのは、そういった標章は特定の個人や企業が独占して使用するのではなく、誰もが自由に使用できるようにした方が、社会全体の利益となるからです。

大阪府住宅供給公社の団地リノベーション「ニコイチ」が、今回、商標登録できたということは、同社の提供する住宅リーフォームサービスが、ただ単に2つの部屋の壁を抜いて1つにするということではなく、他の事業者が提供するサービスとは異なる特殊性が認められたということになります。

商標の審査の際に、この点が登録査定となるかどうかを決める重要なポイントとなったことが推察されます。