2018年10月29日、ニチレイマグネットは「リボンマグネット」その他の商標を登録した。アメリカ生まれの社会貢献アイテムを日本において展開していきたいとしている。

(参照:静岡県沼津市のアジ料理「踊りあじ」が商標登録

商標権者はマグネット製作販売をするニチレイマグネットとなっている。今回登録したのは「リボンマグネット」「リボンステッカー」「リボンドネーション」そして「リボンマーカー」である。

リボンの形をしたアイテムを洋服や自宅、自家用車などに設置することで、社会活動や社会問題に対する支援の気持ちや賛同をさりげなく表明するリボンドネーションである。

欧米では古くから一般的に行なわれてきた意思表示を日本にも広めようとの兆しがみられている。リボンドネーションでは世間一般への問題提起をすると共に、中には寄付付き商品を購入することで活動への支援を金銭的に行なえる仕組みだ。

古くは南北戦争において出兵した家族の無事を祈って樹木に黄色いリボンを結んだという故事が由来であり、2003年のイラク戦争でも同じことが行なわれていた。

現在ではカラーリングにより提起する問題を印象付けることがなされ、乳がん早期発見はピンク、エイズ支援はレッドと分かりやすくなっている。

乳がんの早期発見運動の象徴であるピンクリボンや、児童虐待防止運動の象徴であるオレンジリボンは、街中でよく見かけます。ところで、商標法第4条第6項では「国若しくは地方公共団体若しくはこれらの機関、公益に関する団体であつて営利を目的としないもの又は公益に関する事業であつて営利を目的としないものを表示する標章であつて著名なものと同一又は類似の商標」は商標登録できないと規定しています。

支援の意思をリボンの形で表現する「リボンドネーション」は、商標法第4条第6項の規定に引っかかって、商標登録できない標章であるとも考えられます。しかし、商標登録されたということは、「リボンドネーション」で支援を行う団体は「公益に関する団体であつて営利を目的としないもの」ではなく、「リボンドネーション」が象徴する事業は「公益に関する事業であつて営利を目的としないもの」ではないということになります。

少し意外な結論ですが、商標登録を許可した特許庁がそう判断したのですから間違いはないでしょう。いずれにしても、これからは「リボンマグネット」や「リボンステッカー」を利用して一定の活動を行う場合には、商標権者の承諾が必要になります。