2019年2月、経済産業省に属する中国経済産業局は「平成30年度地域ブランドコラボレーション事業」との報告をまとめ、発表した。コラボレーション事業に参加する企業や団体の数を増加させ、マッチング案件を増やしたい考えだ。

(参照:ニューカレドニア観光局、「天国に一番近い島」を商標出願

2006年に創設された地域団体商標では、登録したものの効果が上がらないと訴える企業が60%にも上っている。そのため2017年に経済産業省は、複数の地域ブランド間におけるコラボレーションにより、相乗効果を上げたいとして「地域ブランドコラボレーション事業」を企画した。

2018年には試験的ながらコラボレーション事業を展開し、一定の効果を確認できた。そのため2019年には、これまでの積み上げの上に参加団体の増加を図りたいとしている。

計画によると、2019年夏に開催される「地域ブランドフェア」を中心軸として、開催前の事前の戦略会議、そして開催後の戦略会議により、マッチング案件の増加と効果の向上を図っている。

地域団体商標登録をした企業のうち60%近くが、登録はしたものの効果が上がっていないと訴えていることは、少々残念な気がします。知的財産権(ブランド)を保護することは非常に重要なことであることは間違いがありませんが、ブランドの対象となる商品やサービスがしっかりしてこそ、ブランドが活きてくるということも事実です。

商品やサービスといった実体と、ブランドの保護の双方がうまくいってこそ、初めて成功を勝ち取ることができます。「地域ブランドコラボレーション事業」では、地域団体商標権者である事業者間での交流の場が設けられています。その交流の場から、新しい商品やサービス(及び地域ブランド)が生まれる可能性が出てきます。日本全国や海外にまで販路を作ることができるような新ブランドが生まれる可能性も十分あります。

地域団体商標登録をした企業の60%近くが十分な効果が得られていないと感じる現状では、地域団体商標登録は登録がゴールなのではなく、登録後もブランド発展のために継続的な努力が必要でしょう。