2019年3月4日、ニューカレドニア観光局は「天国に一番近い島 ニューカレドニア」を商標出願したと発表した。今後はこのワードをキャッチフレーズとし、観光客誘致に向けたブランディング戦略を行なう方針だ。 (参照:国際オリンピック委員会(IOC)、「五輪」を商標登録

「天国に一番近い島」は1966年に出版された森村桂著作の旅行記のタイトルであり、1984年には大林宣彦監督、原田知世主演により映画化された。そのため日本では大変浸透しているフレーズとなっている。観光局ではオリジナルのブランドロゴを4パターン製作した。

4パターンに共通の要素として、メインキャッチフレーズ、ニューカレドニアのシンボルとして有名な鳥「カグ―」や沿海を泳ぐ「ブラックマンタ」、景勝地「ヴォーのハート」のイラストを掲載し、4パターンそれぞれに異なったカラーリングとキャッチコピーを配置した。

現在、日本からニューカレドニアへの渡航者は一年間に約2万人ほどである。フランスからの渡航者が最も多いものの、日本とオーストラリアからの渡航者が2位と3位を占めている。BS放送でのニューカレドニア特番や旅行雑誌ムックを製作するなど、多方面からのプロモーション展開が計画されている。

あるアンケート調査によると、「天国に一番近い島」という知っていますかという質問に対して、全世代で85%以上の方が知っていると答えたということです。しかし、認知度の高い「天国に一番近い島」が「ニューカレドニア」だということを知っているのは、主に40歳以上の世代で、20代ではそれを知っている割合は非常に少なくなるということです。

大ヒット映画「天国に一番近い島」が公開されたのは1984年と今から35年も前なので、若い世代が「天国に一番近い島」が「ニューカレドニア」であることが分からないのは、やむを得ないことであるかもしれません。

しかし、「天国に一番近い島」というネーミングの認知度は40代未満でも非常に高いわけですから、これを利用しない手はありません。そこで、今回、「天国に一番近い島」がニューカレドニア観光局によって商標登録される運びとなりました。

これで、「天国に一番近い島」が「ニューカレドニア」であることが若い世代にも浸透し、ブランディング戦略として大きな成果を上げることが予想されます。