農林水産省は栃木県産イチゴの商標「スカイベリー」が中国で商標登録されていることを2017年6月に発見し栃木県に報告した。今後はブランド保護の観点からの各国における商標申請や登録への気配りが求められる。
(参照:栃木県が商標登録したいちごの新品種名「スカイベリー」。無料で使用可能に

登録権者は上海のインターネット販売会社であり、「SKYBERRY」ならびに「天空草苺」の文字列を商標登録している。一方、栃木県で「とちおとめ」の後継ブランドとして開発されたイチゴも「スカイベリー」である。

「スカイベリー」は日本の特許庁において2012年に商標登録されており、輸出先のシンガポール、マレーシア、インドネシア、香港などでも商標登録に向けて手続きを進めている。しかし、輸出先ではない中国での商標登録保護はされておらず、今回の事態となった。

福岡県のイチゴ「あまおう」のケースでは、中国での品種登録とともに商標登録も実行し、苗木の無断増殖を防ぐ措置が講じられている。また農林水産省では「農林水産知的財産保護コンソーシアム」が中国など諸外国での商標出願を監視、通報する体制がとられている。

現在の中国では、東日本大震災の原発事故の際に漏洩した放射能の影響によって、日本の栃木県からのイチゴの輸入は停止されています。従って、日本の栃木県の生産者とは無関係の中国企業によって、「スカイベリー」の商標登録が行われたとしても、直接の影響はありません。

しかし、中国で「スカイベリー」の商標権を取得した中国企業が、現在、栃木県産の「スカイベリー」が輸出されている、シンガポール、マレーシア、インドネシア、香港などで、「スカイベリー」の商標出願を行い、それらの国々でも「スカイベリー」商標権を獲得する可能性があります。そうなると、日本の栃木県の生産者は、それらの国々で、「スカイベリー」の名称でイチゴの販売ができなくなりますので、注意すべきは、こちらの方です。

幸いにも、現在、それらの国々で、日本の栃木県産イチゴの「スカイベリー」の商標登録に向けての手続きが進んでいるとのことですが、中国企業に先を越されないように十分な配慮が必要です。