2018年11月5日、日本政府は2019年5月に新旧が切替わる元号に関する商標審査基準を見直す方針であることを明らかにした。法律により元号は商標登録できないことを明確にして、便乗商法を防止したい考えだ。

(参照:商標登録できない商標はありますか?

この方針を明らかにしたのは、内閣に所属する菅義偉官房長官である。2019年2月には審査基準を明確にする方針となっている。 現行の商標審査は商標法に基づく商標審査基準に規定された要件によって施行されている。現行基準においては、現元号として認識される場合は登録を受け付けないとされており、過去の元号に関する規定は明文化されていない。 そのため、新元号に切り替わったあとに現元号「平成」が過去元号となり、商標登録が可能になるのではとの観測が散見されてきた。政府としては過去の元号の商標登録も避けたい考えで、現元号以外の元号も基準に含めたいとしている。 実際の審査においては現元号はもとより過去元号でも受け付けていない。
確かに、「平成」という元号が新しい元号に代わった瞬間、「平成」というブランド名で商標登録を行うものが出てきた場合には、その商標権者以外の者は「平成」というブランドを使えなくなります。 「平成」というブランドは、その性質から言って特定の個人や団体が独占的に使用するものではなく、多くの人々が分け隔てなく使用できるようにしておくべきものということができます。 「平成」というブランドを使用できないか、又は使うたびに商標権者の許可を得なくてはならないとすれば、ビジネスやその他の活動に携わる多くの方は困惑することになるでしょう。 そして、その反対に、他人に先駆けて「平成」ブランドの商標登録を行った者は、ライセンス収入で莫大な利益を上げるでしょう。こういった事態は、社会的に見て全く好ましくありません。 従って、過去の元号の商標出願を認めない今回の商標審査基準の改正は正鵠を得たものということができます。