2013年6月8日、中国浙江省の紹興市黄酒産業協会が、日本特許庁から「紹興黄酒」の団体商標登録に関する通知を受け取っていたことが明らかになった。国外の組織による団体商標登録はこれが初の事例となる。
(参照:福島県双葉郡浪江町の商工会が、地元名物「なみえ焼きそば」を商標登録出願)

「紹興黄酒」の輸出先は日本が7割を占めている。2012年には輸出量が21,000トンになり、その輸出額は2,500万米ドルにものぼる。ただし、偽物や類似品も日本国内に多く出回っており、味や品質の違いから、本家「紹興黄酒」の名声を傷つける恐れもあった。「紹興黄酒」の輸出拡大にも悪影響を及ぼしかねない。

同協会が紹興市当局とともに団体商標登録の出願をしたのは2011年のことだった。現地では「会稽山」「古越龍山」「塔牌」「女児紅」など、メーカー15社が「紹興黄酒」の商標を使用する権利を持っている。日本でもこの団体商標が登録された今、これらのメーカーが同じく団体商標の使用権を持つことになるという。

同名の商標は香港でも登録手続きが進んでおり、進展は順調といわれている。今後は大きな輸出先である東南アジアやヨーロッパなどで団体商標の登録を行い、輸出拡大につなげる狙いだ。

いいニュースですね。

もっと早くこういう事例が出てくると思っていたのですが、法改正(平成17年)から結構時間がかかりましたね。日本のマーケットとしての魅力が下がっているのが理由ではないでしょうか。今回は、中国の団体ですが、日本で紹興酒を買う人にとっても安心して購入できることとなります。登録となった商標が付された商品であれば、出所が明らかなため、品質もある程度補償されるからです。

さて、中国というと商標侵害などが問題となりますが、私が中国に仕事で行ったとき、空港で『百年孤独』というお酒を購入しました。藁製のパッケージで包まれ、見た目は日本の『百年の孤独』です。違うと分かっていましたが、国際空港で売られているものだし、もしかしたらと思って購入したのですが、現実は韓国のマッコルリのようなお酒でした。『百年の孤独』は、焼酎ですがウィスキーでも飲んでいるような気持ちになれる、非常に高級な焼酎です。あまりに違うものでした。それと同時に、よく日本の名酒を調査しているなあと製造者に感心しました。

いずれにしても、商標登録は需用者の利益の保護という目的があります。商標の重要性が社会でさらに広がり、『看板に偽りなし』で安心して商品を購入できる時代がくればと思います。