2015年1月9日、青森県十和田湖に生息するヒメマスが「十和田湖ひめます」として地域団体商標に登録された。商標権者は、十和田湖増殖漁協で、今後の十和田湖湖畔の観光振興に期待がかかる。(参照:下風呂漁協など3漁協、「風間浦鮟鱇」を地域団体商標に登録

この登録は、同漁協が2013年8月に商標申請を出願していたことを受けて行なわれたものだ。今回の地域団体商標への登録によって東北地方では41件目、青森県としては大間まぐろ、風間浦鮟鱇などに続いて7件目となる。

地域団体商標は、ブランド保護による競争力の強化が狙いで、経済の低迷が続く東北地方の経済活性化が期待される。十和田湖は以前は魚のいない湖だったが、明治時代に和井内貞行という人物がヒメマスの養殖に取り組み、定着させたという歴史を持っている。

現在では親漁の捕獲だけでなくふ化や稚魚の放流も行ない、観光資源としての取り組みを進めている。また、和井内貞行の取り組みにスポットを当てることで今後の観光活性化が期待されている。

十和田湖ひめますの関連サイトまとめ

青森県と秋田県にまたがる「十和田湖」は、日本全国で知らない人がいないほどの知名度を有しています。今回「十和田湖ひめます」の地域団体商標が登録されたことにより、十和田湖で行われているヒメマスの養殖が、全国的な知名度を有する「十和田湖」の名称を利用して全国にPRできるようになりました。

このように地域団体商標登録には、すでに著名である地域名を利用してブランド化を行うことにより、地場産業により生み出される商品を効果的に宣伝する効能を有します。地域名を冠した商標を利用して得られる宣伝の効果と同様の効果を、地域名を冠しない商標を利用して得るとすれば、膨大な費用と労力を必要とします。地域団体商標登録により、この膨大な費用と労力を大幅に節約することができます。

北東北は農林水産業や観光業が産業の大きな柱となっています。このような状況下、地域団体商標制度は、北東北のような農林水産業と観光業が重要な地域にとって、この両方の産業を結びつける重要な役割を果たすものといえます。今回、地域団体商標登録がなされた「十和田湖ひめます」が、青森県の漁業と観光振興に一役買うことが期待されます。