2019年6月3日、岐阜県産の「郡上鮎」が東京の新豊洲市場に初出荷された。「豊洲取扱いブランド」として世界に向けてブランド展開していきたい構えだ。 (参照:山形の新品種サクランボ「やまがた紅王」を商標出願

「郡上鮎」は岐阜県内の長良川を中心に漁獲された天然鮎である。郡上漁協管内において、今年の鮎の友釣りが6月2日に解禁された。それをうけ、初出荷の品が豊洲市場へ出荷され、今後は平日毎日の出荷となる予定だ。最盛期には一日50キロ~60キロ、今期全体で約4トンの出荷を予定している。

「郡上鮎」は2007年に地域団体商標に登録し、2009年頃からは旧築地市場への出荷を開始した。2015年には国連食糧農業機関によって「清流長良川の鮎」として世界農業遺産として認定された。

2018年2月には、2020年東京五輪・パラリンピック選手村に食材提供が可能となる「水産エコラベル」も取得した。同年8月には都内で「鮎フェア」を開催され、徐々にブランド力を向上させ、今年の豊洲市場への出荷が実現した。

地域団体商標が威力を発揮するところとしては、東京の豊洲市場は格好の場所であるといえます。豊洲市場では、首都圏の多くの高級料理店の仕入れ担当者がそのお店で使う食材を購入します。そういったバイヤーさんに対して、地域団体商標登録がなされたブランドは、非常に良いアピールになります。

同時に、豊洲市場に出荷している商品だと言うことになれば、地域団体商標ブランドにさらに箔がつきます。地域団体商標ブランドを冠した商品は、積極的に、豊洲市場のような有名市場に販路を広げていくことが望まれます。そういった場所でこそ、その真価を十分に発揮できます。

海外進出については、地域団体商標の効力が日本国内に限定されているため、現地国で商標権取得の手続きをしない限り、日本で地域団体商標登録をしただけでは限界がありますが、将来的に海外進出するために日本の国内市場で十分に力を蓄えるという目的のために、地域団体商標は十分な効力を発揮します。