2021年3月26日、特許庁は建築情報プラットフォーム「やさしいBIM」を商標登録した。今後も建設、維持管理、取引など建物全般のマネジメントをサポートしていく。 (参照:株式会社Voicy 「ボイスメディア」の商標権利がオープン化

商標権者は日建設計コンストラクション・マネジメントとなっている。「BIM」とはビルディング・インフォメーション・モデリングのことで、建物の計画から設計、施工、維持までトータルを管理するためのドキュメントとなっている。マネジメントや問題解決などを効率的に扱うことが可能だ。

同社の「やさしいBIM」は発注者のための多方面にわたる問題解決をサポートする。新築物件にとどまらず既存物件のBIM化や、建築プロジェクトにおけるモデル作成、スケジュール管理、効率的な維持管理マネジメントに役立つサービスだ。

同社は、1999年に日建設計の社内組織として誕生し、2005年には独立し会社設立したマネジメント会社となっている。新築建物の施工の際の運営や品質・スケジュール・コスト管理を行い、既存建物の価値を最大限に生かす調査・保全・価値向上計画などを建築主のために行う。

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)は、コンピューター上に作成した建物の3次元モデルを活用して、コストや仕上げ、管理情報などの属性を追加した建築物のデータベースを、設計・施工から維持管理に至るまでのあらゆる段階で活用するという手法です。

今回の事例の「やさしいBIM」が商標登録されるためには、BIMの知名度がそれほど大きくなっていないことが必要です。というのは、BIMが普通に使われる言葉だと、その商品又は役務の普通商標を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に該当し、商標法3条1項により、拒絶査定となってしまいます。

今回、「やさしいBIM」が登録されたということは、BIMが、それほど一般社会に普及した概念ではないことを意味します。だからこそ、商標権者がこのブランドを独占的に使用することが可能になるわけです。