2021年3月29日、特許庁は給湯器に付属したお湯はりメロディーを商標登録した。広く消費者に認知されたことが証明されたかたちだ。 (参照:焼肉の大同門、TVコマーシャルソングが音商標査定

登録されたのは、住宅設備メーカーノーリツの給湯器に付属するお湯はり機能メロディーである。お風呂のお湯はりが完了したことを知らせる音声メロディーとなっている。「お風呂が沸きました、沸きました」という音声が、クラシック音楽の作曲家エステン作曲の「人形の夢と目覚め」のメロディーに乗せて流れる仕組みだ。

音声の商標登録のため、音商標として登録された。通常はクラシック音楽は視聴して楽しむものと認識され、商標登録するのが困難とされているが、ノーリツ給湯器のお湯はりメロディーは長年、広く使用され、聞いただけで企業名を想起できると認定された。

ノーリツのお湯はりメロディーは1997年から搭載され始め、およそ日本全国の3分の1世帯にあたる累計約1,625万台が販売されてきた。目が不自由な人をはじめ、忙しい主婦にもお風呂の管理がしやすい機能となっている。

特許庁は、企業のブランド戦略の多様化を支援するために、従来の文字や図形に加えて、音商標、動き商標、色彩のみからなる商標など新しいタイプの商標について平成27年4月1日から、出願を受け付けています。

平成29年9月19日現在の新しい商標の登録件数は、音商標が172件、色彩商標が2件、位置商標が35件、動き商標が83件、ホログラム商標が11件となっており、音商標が全体の約56%を占め、他の商標を圧倒しています。それだけ、ブランドとメロディが親和的であると言えます。

軽快なメロディーは一度聞いただけで長く印象に残りますし、それに商品や役務を結びつけると、非常に効果的な宣伝となります。しかし、それだけでは不十分です。この貴重なメロディーを第三者による模倣から保護することによって、メロディははますます宣伝効果を発揮すると言えます。

そのために必要なのが、商標登録です。