2021年4月23日、特許庁は物流コンサルのブランド「運ばない物流」を商標登録した。今後も国内の物流改革を目指していく。 (参照:「やさしいBIM」が商標登録

商標権者は株式会社ビーイングホールディングスとなっている。「運ばない物流」は物流システムの効率化・合理化を進めていくブランドだ。メーカー・中間業者・小売業者が一か所の物流センターに集約されるなら、配送にかかる時間や費用が効率化できる。

業者間での受け渡しにトラックなどの配送が当たり前、という既成概念を取り払い、可能な限りモノの移動を減らすことが安定供給や価格抑制につながり、業者にとっても消費者にとっても利益となるという考え方だ。

さらに、管理や保管、移動、配送などのコストが削減され、車両のCO2排出も削減される持続可能な開発目標(SDGs)に沿った効果が期待されている。同社は特に、日用品や加工食品などの生活物資に特化した物流改革を提言するとともに、物流プランの設立を行っている。

物流会社のブランドというと、力強く迅速にモノを運ぶイメージのネーミングやロゴを思い浮かべます。しかし、物流会社のブランドで、「運ばない物流」というネーミングは、誰でも、一瞬「?」と感じると思います。

しかし、そのことが、かえっえ需要者に対してインパクトを与えることで、一度聞いたら忘れられないものとなります。今回の事例は、ブランド戦略には、こういった需要者に意表を突く、逆説的なものもあるということを表示していると言えます。

物流というと、大型トラックが大量の排気ガスを噴出して、モノを運んでいるというイメージがありますが、地球温暖化問題が多くの人々の関心の的となっている昨今の状況では、「運ばない物流」は、かえって、多くの人々の支持を得るかもしれません。

しかも、このネーミングは今回商標登録されたわけですから、第三者による模倣対策という点でも問題はありません。