2018年10月17日、アヲハタは「アヲハタ」ブランドにかかわる商標権の取得を決議した。今後はこれまで展開してこなかったジャンルの商品へも「アヲハタ」ブランドにて参入し、収益力強化を目指していく。 (参照:商標権取得金額を損金経理できる中小企業向け特例について

今回の商標権取得は譲渡によるものであり、譲渡元は株式会社中島薫商店であり、譲渡先はアヲハタ株式会社である。商標権取得価額は21億円となっている。アオハタ創業時より「アヲハタ」ブランドは、創業時の母体であり株主である中島薫商店が保有してきた。

アヲハタは、やはり中島薫商店が母体となり創業されたキユーピー株式会社と共に、キユーピー・アヲハタグループを形成し、ジャム・ホイップ・スプレッドなどのパン周りの食品を製造、キユーピーが販売してきた。しかし「アヲハタ」ブランドは中島薫商店が保有すると共に企画・管理を行ない、アヲハタの親会社キユーピーに使用許諾与えてきた。

今回の商標権譲渡により、「アヲハタ」ブランドはアヲハタが保有・管理し、より迅速な企画や商品開発を進められることが期待されている。

「アヲハタ」も結構有名なブランドですが、その「アヲハタ」の商標権者がその創業会社である中島薫商店は、知っている人はそれほど多くないでしょう。それは、全国的なブランドの知名度はTVCMで繰り返し放送することによって広がっていきますが、「アヲハタ」のTVCMでは、商標権者である中島薫商店の名称が出てこないからです。その意味では、「アヲハタ」の商標権を創業会社である中島薫商店が持つよりもアヲハタ株式会社が持った方がよりすっきりすると言えます。

「アヲハタ」は親会社である「キューピー」の子会社で、「アヲハタ」と「キューピー」の双方が中島薫商店を創業時の母体会社としていて、現在も中島薫商店が双方の会社の大株主であるという状況は、複雑ですっきりしない関係です。そのようなケースでは迅速な意思決定が行えず、経営上様々な問題を引き起こすこともあります。

今回、「アヲハタ」ブランドが中島薫商店からアヲハタ株式会社に譲渡されたわけですが、このことで複雑な関係の一部が整理され、「アヲハタ」ブランドがより効率的に運用されることが期待できます。