2021年6月8日、特許庁は北海道産ブランド牛「開陽黒牛」を商標登録した。今後は本州での取引をはじめ、全国展開したい構えだ。 (参考:富山のブランド牛「越中万葉牛」を商標登録

商標権者は株式会社RARAFarm中標津畜産センターとなっている。これまで同社の親会社である中標津町農協は、ホルスタインと和牛の交雑種であるF1牛を「なかしべつ大黒牛」として販売してきた。濃厚でまろやかな味わいの牛肉として評判が高い。

更なるブランディングアップのために付加価値を高めるため、ブランド名を改め、商標登録を目指すことにした。農協組合員などからの投票により新たなブランド名を「開陽黒牛」に決定し、2021年2月22日に商標出願していた。「開陽黒牛」はすでに本州の大手スーパーからの引き合いがあり、全国に向けてブランディングしていきたいとしている。

同畜産センターでは、これまでも交雑F1牛で高品質なA5等級の牛肉を産出しており、美味しく手頃な価格の牛肉として注目されている。

現在日本で流通している牛肉には、外国産輸入牛肉、国産の大衆牛肉(ホルスタイン種)及び高級牛肉(黒毛和牛)、ホルスタイン種と黒毛和牛を交配させた雑種第一代(F1)など、様々な品種があります。そして、その中では、例えば、黒毛和牛というだけで、価格が高くても飛ぶように売れたり、反対に、輸入牛肉のように、とにかく値段が安くないと売れないというように、ブランド戦略が非常に重要な役割を果たします。

今回商標登録された「開陽黒牛」は、ホルスタインと和牛の交雑牛(雑種第一代F1)なので、「黒毛和牛」という名称は使えませんが、ホルスタインと黒毛和牛の交雑F1種は、肉質が黒毛和牛に近くなり、それが向上しているといわれています。

この牛に「黒牛」というネーミングを付けるというのは、ユニークな発想であり、今後このブランド戦略がどういう成果を上げていくかが、注目されます。