2014年9月8日、GMOインターネット株式会社はドメイン登録サービス「お名前.com」で新gTLDの商標権者向けの先行登録の受付を開始した。
(参照:「○○.jp」「○○.com」等のドメイン名は商標登録した方がいいでしょうか?

社名やブランド名、サービス名などを商標登録している商標権者が優先的にドメイン名の登録申請をすることができる。

今回、先行登録できるのは新gTLD「.credit」「.creditcard」「.claims」 「.gratis」「.hiphop」 「.juegos」「.audio」「.diet」「.help」 「.hosting」「.property」といったドメインである。

先行登録受付は10月31日(金)19時までとなっており、同じドメイン名の申請があった場合はオークションによって取得者が決定される。

「…….com」といったインターネット上の住所ともいえるドメインは通常は先願主義といって、最初に申請した人が優先的に登録できる仕組みとなっている。つまり早い者勝ちということになる。

ところがその仕組みを利用して他人に商標権があるドメイン名をいち早く申請・登録すると、本来の商標権者のインターネット利用が阻害されてしまう。そのため、商標権者向けの先行登録が行なわれるというわけである。

以前、百貨店の松坂屋がドメインネームを取得していないことに目を付けた第三者が、「matsuzakaya.co.jp」でドメインネームを取得し、それで反社会的な動画サイトを設定しました。

そして、その第三者が、百貨店のイメージダウンをおそれた松坂屋に、そのドメインネームを高額の値段で売りつけるという事件が起こりました。

実際に、ホームページを設定するか否かに関わらず、ドメインネームを取得しておかないと、このような被害にある可能性があります。

その点、今回、GMOインターネット株式会社が新たに提供するサービスは、商標権者に限定されてはおりますが、1個につき1年で15円~という非常に安価で、ドメインネームが取得できますから、そのような行為の対策としては非常に有益なものです。

商標権者が、ドメインネームを取得しておかないと、第三者の先行取得により、本来の商標権者がドメインネームを使用できなくなるという問題は、もちろんあります。さらに、それに加えて、松坂屋事件のような犯罪まがいの行為に引っかかる可能性もあります。

商標を取得した際には、このような便利な制度を利用して、ドメインネームも早期に取得しておくことが、よい選択であると考えられます。