2014年8月29日、株式会社生活と科学社は楽天株式会社とヤフー株式会社に対し、「石けん百貨」のブランドに関して不正競争行為の差止めおよび損害賠償請求を求めて大阪地方裁判所へ提訴した。(参照:『人生で大切なことは○○○から学んだ』などの書籍のタイトルは商標権の侵害にならないのでしょうか?

これは生活と科学社が保有する「石けん百貨」という商標が検索連動型広告に掲載され、利益の損害を受けたため損害請求をするというものである。

楽天やヤフーはGoogleアドワーズ広告やYahoo!スポンサードサーチなどのいわゆる検索連動型広告に「石けん百貨【楽天】」や「石けん 百貨通販」、「石けん百貨大特集」、「石けん 百貨は楽天」、「石鹸 百貨 楽天が格安」、「石けん百貨/楽天」、「石けん百貨/通販」 といったキーワードでの広告を掲載している。

これが生活と科学社のオンライン・ショップ「石けん百貨」や情報サイト 「石けん百科」、「石鹸百科」と混同されてしまうというのが生活と科学社側の主張である。また、消費者が検索連動型広告のクリックから「楽天市場」や 「ヤフー!ショッ ピング」内の石けん販売サイトに誘導され、損害を受けたとも主張している。

生活と科学社は、「石けん百貨」や「石けん百科」、「石鹸百科」を商標登録している。

通常は、商標権に関するトラブルといいますと、商店やスーパーに並ぶ商品等に付されている商標ラベルが類似しているとかいないとか、そういったことを思い浮かべます。

しかし、これだけインターネット取引が普及すると、ネット上で使用する文字にも相当なブランド力が生まれており、無視できないものとなっています。

ネット上で何か商品を購入しようとするときは、必ず、検索サイトから入ります。

もし、同一又は類似の商品の販売に関し、自社が運営するサイトを表示する文字と、同一又は類似する文字で、別の会社が運営するサイトが表示されていたら、やはり、大きな影響を受けることになり問題となります。

こういった状況の下、ネット上での取引に関して今回の訴訟の提起が、公正の確保やブランド力の維持に対して貢献することを望みます。