2014年11月27日、特許庁は国連関連団体が保有する世界商標データベースへ、日本の商標情報が掲載されている「商標公報」の提供を開始すると発表した。
(参照:特許庁、特許や商標の料金引下げで国際競争力を強化

この措置により日本で登録された商標情報が諸外国の商標情報と共にデータベース化されることとなり、国内・海外の商標情報を一括で検索できるようになる。

提供先は世界最大級の商標データベースである「Global Brand Database」。これは国連の専門機関である世界知的所有権機関(WIPO)が保有するデータベースで、2014年11月現在世界16の商標庁からの商標出願・登録商標に関する情報を検索・照会できるものだ。

米国、オーストラリア、カナダ、シンガポール、ニュージーランド、スイス、フィリピン、デンマーク、 イスラエル、モロッコ、エジプト、カンボジア、エストニア、UAE、オマーン、アルジェリアの16商標庁が参加している。インターネットサイトを通じて誰でも無料で情報を検索できるものとなっている。

この参加によって日本企業のグローバル戦略を構築する際に世界に照準を合わせてブランド戦略を立てていけるようになることが期待されている。

日本の特許庁が、世界知的所有権機関(WIPO)の保有する商標データベース「Global Brand Database」へ、日本で登録されている商標の情報を提供することにより、まず、海外の企業が、日本で活動をする際に事前に十分な商標調査を行うことが可能になり、商標トラブルに巻き込まれることが少なくなるというメリットが生まれます。

また、日本企業もこのデータデースを利用して、海外へ進出する際に進出先の国で、日本企業が使用する同一または類似の商標が存在するかどうかを容易に確認できるようになります。

国家間の商標権に関する情報の共有などといった問題は、実際に経済活動を行う企業だけでは容易に解決できる問題ではありません。このような問題に、政府機関である特許庁が積極的に取り組んでいくことは、特に海外進出を目指す企業にとっては非常に好ましいことであります。

今後は、今回の措置による商標データベースの諸外国との共有により、日本企業の海外での経済活動がよりスムーズに展開していくことが期待されます。