2019年4月18日、経済産業省特許庁は、今治タオルに「知財功労賞 経済産業大臣表彰」を授与した。知的財産権制度に貢献した個人や企業を表彰し、さらなる発展と知的財産保護の促進を期待している。 (参照:特許庁、「地域団体商標ガイドブック2019」を刊行

愛媛県今治市の今治タオル工業組合が商標権者となっている「今治タオル」は、120年もの歴史を誇るタオル製造ブランドである。高品質なタオルを生産し続けることから高い評価を得ており、「今治タオル」は地域団体商標にも登録されている。

今回の「知財功労賞 経済産業大臣表彰」には、今治タオル工業組合を始め、ペプチドリーム株式会社、三菱電機株式会社、株式会社FLOSFIA、ファナック株式会社、株式会社良品計画の5つの企業ならびに、弁護士の宮川美津子氏が選定されている。

また「知財功労賞 特許庁長官表彰」には、企業4社ならびに、個人3名が選定されている。特に今年度からはデザイン経営に焦点が当てられ、世界に通じるレベルのデザインを生産し、知的財産権保護を取り入れている企業も対象となっている。

今回「知財功労賞」を受賞した「今治タオル」は、2007年に11項目からなる独自の品質基準を策定したり、2010年に商標使用や違反時の対応を明確化したブランドマニュアルを策定したり、バーゲン等で割引販売される際には「今治タオル」の文字やロゴマークの使用を禁止するなど、厳しい品質管理とブランド管理を行ったことが評価されました。

今治タオルは、一時は産地崩壊が危惧されるほど厳しい状況にありましたが、2007年に今治タオルプロジェクトよって立ち直り、最新の調査で今治タオルの国内認知度が88%になるほどになっています。

この立て直しの過程で、地域団体商標が重要な役割を果たしたことは言うまでもありません。そして、このことが今回の受賞の大きな要因となっています。