2020年10月27日、香港知財財産局は「ニッポンエール」を商標登録した。今後、海外でのブランディングアップを促進していく構えだ。 (参照:台湾鉄路管理局 「台鉄弁当」の商標登録出願

商標権者はJA全農となっている。「ニッポンエール」は産地と共同開発し、全国の小売店で販売しているブランドである。同時に、日本全国の食べ物を海外へ輸出する際のブランドとなっており、今後のさらなる海外進出のためにこの商標を世界各国の知財当局へ申請している。

すでに香港と中国では商標登録をすませているほか、タイ、EU、英国、シンガポールにおいて商標出願を行っている。同組合は国産の農畜産物を輸出しており、今後の展開が期待されている。その中には米、牛肉、野菜、果実などのほか、ドライフルーツなどの加工食品や冷凍食品も含まれている。

「ニッポンエール」ブランドは、ドライフルーツ、菓子、冷凍食品を中心にラインナップを揃え、日本の農畜産物の販売強化を軸に世界的なブランディングを目指している。

2010年6月に経済産業省が「クールジャパン室」を設置し、それ以来、クールジャパン戦略が日本の国策として位置づけられ、海外における日本ブーム創出、海外展開、インバウンド振興などが積極的に推進されたことは記憶に新しいところです。

「クールジャパン」(クールとは英語で「かっこいい」という意味)という言葉の響きは美しく、また、印象的なので、ほとんどの方は、一度聞いただけで、覚えてしまうでしょう。

今回JA全農が香港で商標登録した「ニッポンエール」も、「クールジャパン」のように、覚えやすく、また、日本産の農産物を海外で販売するというコンセプトを的確に表現したネーミングなので、JA全農の海外展開に大いに貢献することが期待できます。

ただ、良いネーミングには悪意の第三者の模倣という大きな問題がありますが、JA全農では、進出を予定している海外の国々で、商標登録をすでに済ませているか、出願中ですので、この点については十分な対策をしていると言えます。