2019年11月25日、特許庁は石川県のご当地グルメ「スズ丼」を商標登録した。今後は地元珠洲の食文化を継承するとともに、ブランディングアップを図っていく。(参照:石川・加賀の「加賀ぶどう」が地域団体商標に

商標権者はNPO法人珠洲市観光振興団体「能登すずなり」となっている。「スズ丼」は石川県珠洲市の山の幸や海の幸を詰め合わせたご当地グルメである。 弁当「すず」には、煮物である「いもだこ」や能登豚が盛りまれている。

弁当「まつり」は、秋祭りで日ごろお世話になっている方々に振る舞われる御膳「よばれ」料理をモチーフにデザインされた。弁当「こぶた」は、「よばれ」で振る舞われる御膳の横に用意される持ち帰り用のおみやげとなっている。

現在すずなりでは、毎週土曜日に限定10食から20食を製造し、売り切れることも多い。また、平日や日曜日には団体向けの予約販売で手に入れることも可能だ。

今回の商標登録の商標権者はNPO法人であり、また、ブランド名も地名である「珠洲」と商品名である「丼」の組み合わせですので、地域団体商標登録も可能であったと思います。ただ、もし、仮に地域団体商標で登録するとすれば、「丼」というのは商品名としては分かりにくいので、例えば、「いもだこ豚丼」など、商品としての具体的なイメージが湧き易いネーミングが必要でしょう。

もっとも、地域団体商標登録が可能になるためには、出願ブランドが一定の範囲の地域で認知されていることが必要であるのに対して、商標登録の場合には、そういった周知性の有無は問われないので、一定の範囲の地域で全く認知されていないブランドでも登録ができます。

今回、商標登録された「すず丼」ですが、今後、地元珠洲市や石川県での認知が進み、さらに、権利者がブランドの全国展開を考えるようになった場合には、地域団体商標に変更される可能性があります。