2021年5月18日、特許庁は共立女子大学ならびに共立女子短期大学が打ち出している教育方針を商標登録した。今後は時代のニーズに合わせた順応性の高い人物を育成していきたいとしている。 (参照:奈良佐保短期大学 学生が大学公式キャラを商標登録

同大学が登録したのは「Major in Anything. Minor in Leadership.」という言葉である。意味は、「主専攻は様々な専門分野、副専攻はリーダーシップ」というものだ。これは世の中を主導していくリーダーを育てるという意味ではなく、どんなポジションにいても率先して行動する、周囲と協力して物事を動かしていく人材を育成したい考えだ。

同大学は4年制で家政学部、文芸学部、国際学部、看護学部、2年制で生活科学科、文科の6つの学部を運営してきたが、2020年よりビジネス学科を開設するとともに教養教育を刷新した。各学部の専攻科目を主専攻とし、すべての学部の生徒が副専攻としてリーダーシップを学び、自立や努力、協働とリーダーシップなどを履修することが可能だ。

大学が権利者である商標登録というと、例えば、2021年4月27日に登録された、日本獣医生命科学大学の「風になびく馬の尻尾」をモチーフにしたエンブレムなど、大学を象徴するマークやロゴなどが一般的ですが、今回は、「主専攻は様々な専門分野、副専攻はリーダーシップ」という大学の教育方針が登録の対象となっていますから、大変珍しものとなっています。

教育方針「Major in Anything. Minor in Leadership.」が、第三者に模倣されることは考えにくいので、共立女子大学がこの登録を行ったということは、この教育方針を大学の内外に広くアピールするためだと思われますが、この商標登録によって、大学がこの教育方針にかける意気込みがよく感じられます。

今回の事例は、商標登録の一風変わった活用方法に関するものということだと言えます。