2020年7月3日、特許庁は佐賀県産農産物「女山(おんなやま)大根」を地域団体商標に登録した。今後も品質向上や若手後継者の育成を進めていきたい考えだ。 (参照:九州ブランド総選挙の受賞アイデア「よ~うかんがえる」が佐賀で商品化

商標権者は幡船の里(ばんせんのさと)協議会となっている。今回の登録によりブランド保護がされるため、粗悪品や類似品の流通を防ぎブランドの安定化を図ることができる。

「女山大根」は佐賀県多久市西多久町で江戸時代から生産される伝統的な農産物である。一般的な青首大根に比べてサイズが大きく、根が赤紫色をしているのが特徴で、大きなものでは長さ80センチ、重さ10キロにもなるという。山地に囲まれた地域のため朝夜の寒暖差が激しく、甘みが多い味わいとなっている。おでんや漬物などにされて食べられている。

1995年、わずかな生産量であった「女山大根」を町おこしに活用したいと、町の直販所である「幡船の里」が目をつけた。県の研究施設の協力を得て「女山大根」の原種に近い種を復元し、2003年から本格的な栽培を再開した。

女山大根は、佐賀県佐久市西多久町で300年以上も前の江戸時代から栽培されている、根と葉が赤紫色の特徴のある大根です。こういった特徴のある農産物は、その優れた点をアピールすることによって、首都県や関西圏など大消費地にどんどん販路を広げていけば、その地域の農業はどんどん発展していきます。 さて、販路の拡大に当たっては、粗悪品や類似品の流通が大きな問題となります。質の悪い大根を、「女山大根」のブランドを使って販売されると、「女山大根」は宣伝されているほどおいしくないなどの風評が立ち、売上げに悪影響を与えます。 しかし、地域団体商標登録をしていれば大丈夫です。当該登録をしておけば、粗悪品や模倣品の販売業者に対して法的対抗措置をとることができます。こういった後ろ盾ががあれば、安心してブランドを宣伝できるし、そのことが販路拡大につながります。