2018年4月6日、日清食品カップヌードルのパッケージデザインが位置商標として登録された。 (参照:CMソング「エ!バ!ラ!焼き肉のたれ!」が音商標に)

商品ロゴがなくても商品として特定できると判断されたことになり、よりいっそうのブランディング効果が期待されている。商標権者は日清食品ホールディングス株式会社となっている。

1971年以来、世界中で愛されているヒット商品であるカップヌードル。このパッケージデザインの中の帯の位置が商標として登録された。円筒形をしたパッケージの上端と下端に描かれている、通称「キャタピラ」と呼ばれている黄色い点線の帯。これがカップヌードル独自のデザインとして認められた。

「日清カップヌードル」のロゴマークがなくても、この帯だけでカップヌードルと認識されるほどの認知度があると認められたことになる。

位置商標は特定の場所に特定のデザインを使用してある意匠に対して、知的財産権を認め商標として保護するものである。2014年の商標法の改正により登録可能になった。

今回の日清食品のパッケージデザインの位置商標登録の審査には約3年の時間がかかったそうです。このことは、商品ロゴなどの通常の商標とは異なり、やはり、パッケージデザインだけで出所表示機能や自他商品識別機能などの商標としての要件を備えていると特許庁に認識させるためには、大きな努力が必要であったことを意味します。

それだけ今回の位置商標の登録が価値あるものだということもできます。この位置商標登録がない状態だと、別の会社がこのパッケージデザインに日清食品以外のその会社のロゴマークを組み合わせて別の商品を開発販売した場合、日清食品は何もすることができません。

しかし、パッケージデザインの位置商標登録があると、その他社商品の販売を商標権の侵害であるとして販売差し止めなどの法的な対抗措置を取ることが可能になります。

その点では日清食品はより安全にこのパッケージデザインを使うことができるようになります。