2018年4月27日、エバラ食品工業はサウンドロゴ「エ!バ!ラ!焼き肉のたれ!」を音商標として登録した。テレビCMでおなじみのサウンドが、商標として知財保護の対象となる。 (参照:ハナマルキ、サウンドロゴとして音商標登録

エバラ食品工業の「焼肉のたれ」は1968年に発売されてから、50年にわたり日本の消費者に親しまれてきた。まだ焼肉が日本の食習慣として根付いていなかった時代に、草分けとして新しい分野を切り開いてきた商品である。

このエバラ「焼肉のたれ」の普及に貢献してきたのが、落語家月の家円鏡のインパクトあるキャラクターを前面に打ち出したテレビCMだ。リズミカルな「エ!バ!ラ!焼き肉のたれ!」という独特のメロディは、日本の消費者の耳に植え付けられてきた。

今回の登録査定により、このサウンドが日本において広く知られ、エバラ食品や焼肉のたれと結びついたものとして受け入れられていると認められたことになる。

音商標は歌詞など言語的要素を除いたメロディーやハーモニー、リズムといった音楽的要素を知的財産として保護する制度となっている。

単に「エバラ焼肉のたれ」と言葉で言うよりも、軽快なメロディにのせて「エ!バ!ラ!焼肉のたれ!」という方が、消費者により覚えてもらいやすく、しかも、より長期間、その記憶が持続します。

日本人の大部分は、メロディに乗せたこの商品名を覚えていると思いますが、そうであることは、「焼き肉のたれ」を買おうとするときに、非常に多くの方が、真っ先にエバラの製品を思い浮かべるだろうということを意味します。

これは、その製造元であるエバラ食品にとっては、かけがえのない財産であると言えます。

日本人の大部分にこのフレーズが浸透するまでには、繰り返し繰り返しTVでコマーシャルを流す必要があり、膨大な経費がかかったと思われます。この観点からも、今回音商標として登録されたCMソング「エ!バ!ラ!焼き肉のたれ!」が価値のあるものであることが分かります。

そう考えてくると、つい最近まで、こCMソングが商標法の保護を受けることができなかったことが、不思議なことにも思えます。

ただし、現在は、そういった価値のあるCMソングは、音商標として登録して商標法の保護を受けることができますので、この問題は解決しています。