20186月25日、秋田県仙北市西木町特産の栗が地域団体商標として登録された。北国の地域振興およびブランドのさらなる浸透が期待されている。

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商標権者は西明寺栗生産販売事業協同組合となっている。西明寺栗は、秋田県仙北市西木町西明寺地区ならびに西明寺周辺地区で栽培された栗だけが、西明寺栗を名乗ることができる。西木町は枝垂桜で有名な角館よりさらに西に位置する、仙北市の西端の山あいの地域だ。

大ぶりの美味しい栗で由緒ある名産品である。300年ほど前に京都丹波地方から持ち込んだ栗を栽培したところ、大ぶりの実をつける木があり、品種改良を重ねてとなった。一個の実が重さ60gから70gもあり、ふっくらした実がとても美味しいと評判である。渋皮煮や和菓子、栗焼酎と多彩な利用法が開発されている。

この西明寺栗の地域団体商標への登録により、東北地方で53件目、秋田県で11件目の登録となっている。

農林水産省の統計調査によると全国で栗の生産量は年間1万9千トン程度とされています。一方で今回地域団体商標登録された「西明寺栗」の生産量は豊作の年で年間約30トン、不作の年は約10トンと言われており、西明寺栗は「幻の栗」ともいえるほど希少なものです。

生産量こそ少ないのですが、関ヶ原の戦いの後に水戸から秋田に国替えさせられた佐竹義宣公が京都地方から取り寄せた栗の種が発祥という、非常に長い歴史がある栗です。

西明寺栗は、販売量が少ないため、一般の市場で評価される機会がほとんどない状態が続いており、生産された栗の大部分は、生産者と提携した菓子製造会社が菓子製品として加工して、大手百貨店などで販売されています。大手百貨店の利用者はブランド志向が強い傾向がありますが、そういった状況下では地域団体商標登録は大きな効果を発揮します。

今回、「西明寺栗」が地域団体商標登録されたことで、この商品の大手百貨店などでの販売が順調に伸びることが期待できます。