2020年1月30日、特許庁は静岡県の名産「浜名湖のり」を地域団体商標に登録された。今後は世界に向けてブランディングアップを図っていきたい考えだ。 (参照:静岡県浜松市 「浜名湖のり」地域団体商標に出願

商標権者は浜名漁協遠州食品加工業協同組合となっている。浜名湖で生産されるのりは、主に生海苔のカテゴリーにおいて「青ノリ」として出荷されている。磯の香りと深い緑色が特徴となっており、生海苔のほかに板海苔も生産されるほか、お菓子や佃煮、練り物などにも使用されている。

ご当地グルメ「浜名湖のりうどん」も、この「浜名湖のり」を使用している。年間にして約500トンもの生産量があるものの、以前の年間800トンほどあった生産量からの落ち込みが近年続いている。

浜名湖で海苔の養殖が始まったのは西暦1820年、文政3年である。そのため今年2020年は節目となる200年であり、200周年記念事業も計画されている。また、浜名湖のりブランド推進協議会が発足し、「浜名湖のり図鑑」と題するホームページを開設した。

地域団体商標は地域名と商品名を合わせた呼称を商標として登録できる制度で、これによって、地域の名物のブランド化が可能になります。地域の呼称を独占的に使用することで、商品の宣伝に加えて、その産地も同時にアピールすることができるようになります。

さて、2015年のデータでは、のりの輸入規模は、国内の消費量(約80億枚)7%弱程度です。従って、のりに関しては、まだまだ国産のものが国内で消費されているという状況ですが、近年、韓国や中国からの輸入が急増しており、その価格の安さは大きな脅威となりつつあります。このような状況下で、国産のノリが市場シェアを維持していくためには、国産であるというメリットと、品質の高さを強調していくことが重要です。

その点で、地域団体商標に登録するということは非常に有意義なことで、今回登録された「浜名湖のり」が、今後、国産のりのリーダー的役割を担っていくことが期待されます。