2020年1月29日、JAたじまは同組合のブランド米「かにのほほえみ」を特許庁に商標登録したと発表した。今後は統一マークの作成など販促拡大に向けて進展を目指すとしている。 (参照:兵庫の「尼崎あんかけチャンポン」、地域団体商標に

商標権者は、兵庫県豊岡市のJAたじまとなっている。ブランド米「かにのほほえみ」は、同市香美町香住区の農家で耕作収穫されるものである。該当する農家6軒で構成される生産部会がこの商標を独占的に使用できることとなる。

「かにのほほえみ」はコシヒカリ品種を、カニの殻を砕いた有機肥料で栽培したブランド米である。同区は松葉ガニや香住ガニが収穫される日本海に面しており、その地産品を利用した土づくりをしている。カニの殻に含まれているキチン酸が土中の微生物を活性化し、おいしさの源となっている。

減農薬や有機栽培のため、安心して食べられるブランドとなっている。同ブランド米は、JAたじまのオンラインショップで購入できるようになっているほか、ふるさと納税の返礼品としても活用されている。

米は、地域に深く根差した農産物なので、地域団体商標として登録されることが多い物件です。2018年12月末時点で米で登録されている地域団体商標の数は全国で10件、兵庫県では加東市のみのり農場協同組合が権利者である「東条産山田錦」が登録されています。

今回の「かにのほほえみ」は、ブランドに「たじま」などの地域名が入っていれば、地域団体商標としての登録できる可能性もありましたが、地名なしのブランドのために、商標登録となっています。

なお、地域団体商標登録を行うためには、米ブランドの場合は、産地が属する都道府県を超える範囲における多数の需要者に広く認識される程度の知名度が必要となります。

「かにのほほえみ」は、まだまだそこまでの知名度がないので、一般の商標で登録し、知名度が上がってきたら、産地名を加えて、地域団体商標としての登録を目指すというブランド戦略を立てているかもしれません。