2020年6月、愛知県のマスタード製造会社美ノ久は「フランスドッグ」の商標権を取得した。2020年11月より同商標を使用し、全国でファストフード店を展開する。 (参照:愛知県一宮市 喫茶店の「一宮モーニング」中部で初!商工会による地域団体商標

商標権者は株式会社美ノ久となっている。同社はからしを原料とした調味料を製造しており、粒マスタードやマスタードソースなどを手掛けている。今回取得したのは、商標権と共に機器販売の権利、メンテナンスの権利となっている。

「フランスドッグ」とは、ヨーロッパで人気のファストフードである。ヨーロッパ風ホットドッグともいえる「フランスドッグ」は、柔らかめのフランスパンであるソフトバゲットに穴をあけ、ソーセージなどの具材を入れて食べるお手軽なファストフードとなっている。

同社ではこの「フランスドッグ」をお手軽に製造できるフランスドッグマシーンを販売し、パン屋やカフェなどでの導入をサポートしている。同時に具材のソーセージやマスタードケチャップ、サルサソースなども購入でき、「フランスドッグ」販売全般を促進している。

ホットドックと言えば、アメリカの定番スナックですが、「フランスドック」は、フランス式ホットドックということです。ホットドックとフランスドックの最大の違いは、下地となるべきパンが、フランスドックの場合、フランスパンになるという点です。

さて、「ホットドック」というネーミングであれば、商標法第3条(一)その商品又は役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章からのみなる商標に該当し、商標登録の要件を満たさないと判断され、拒絶査定になったものと推定されます。

しかし、「フランスドック」であれば、少なくとも日本においては、ホットドックほど普通に使われる言葉になっておりませんので、商標法第3条(一)に該当しないと判断され、登録査定となりました。「フランスドック」の本場フランスで出願したのであれば、フランスでの「フランスドック」の知名度によっては、拒絶査定となる可能性があります。