2020年11月13日、秋田県は新品種米「サキホコレ」を香港の知的財産局に商標出願、また2020年11月16日には中国の国家知識産権局商標局と台湾の経済部知的財産局にも商標出願した。将来的な海外販売の準備として知的財産保護の取り組みを進めている。 (参照:JA全農、「ニッポンエール」を香港で商標登録

「サキホコレ」は数あるブランド米の激戦を勝ち抜くために開発された新品種となっている。「コシヒカリ」以上の食味と「あきたこまち」を上回る収量と耐病性を併せ持つ品種を目指している。

2020年にネーミングキャンペーンを経て、ブランド名を「サキホコレ」に決定した。田んぼで稲の花が咲き誇る情景から、このネーミングとなったという。2022年に一般作付および市場デビューを果たす予定だ。

秋田県は日本有数の稲作産地として有名だが、主力の「あきたこまち」に変わる新ブランドを模索していた。広大な土地に加え、受け継がれた稲作伝統により米産地としての優越性を発揮する「サキホコレ」は、味もいいと評判が高い。

最近の日本の稲作農家は、日本国内の消費者のみをターゲットにするのではなく、広く海外の消費者を対象としたビジネスを展開するようになっています。特に、中国や東南アジアの新興国の富裕層は、日本の高品質の米に対して強いニーズを持っており、それを取り込むことによって、窮地に立っている日本の稲作農家が救済される道が開けてきます。

しかし、せっかく苦労して生み出した高品質米「サキホコレ」を作っても、偽米をこのブランドを使って販売されると、顧客を奪われるだけでなく、「サキホコレ」は、宣伝では立派なことを言っているれど、実際に食べてみると大したことはないなどの風評が立ち、海外での販売に大きなダメージを与えます。

そこで、商標登録を行い、そういったケースに法的手段をもって対抗できるようにしておく必要があるわけです。