映画会社である「東宝」の代理人が6月4日に明らかにしたところによると、同社が米国のビール会社を相手取って起こしていた訴訟で和解が成立した。ビール会社側が、商品の名称を年内に変更するという。(参照:ホンダ「スーパーカブ」が立体商標登録

問題の会社は、米国ルイジアナ州ニューオーリンズのビール会社。「メカホプジラ」と名付けたビールを販売しているが、これについて東宝側は、「メカゴジラ」の模倣であり商標権を侵害するものだとして、連邦地方裁判所に提訴していた。今回の和解の結果、ビール会社は名称を「メカ」に変更して販売を継続する。

ゴジラは米国でも人気が高く、5月からハリウッド版が全米で公開されているが、その人気に便乗してゴジラ関連の名称を無断使用する例も後を絶たない。東宝がゴジラをめぐって米国で起こした著作権、商標権など、知的財産権関連の訴訟は30件以上にのぼっている。

東宝が米国で起こしている知的財産権に関する訴訟の件数が30件以上というのは、日本で生み出された創作物が米国で有名になった場合、いかに多くの米国人から模倣の対象にされているかということを示していると思います。

日本で創作された「メガゴジラ」を模倣して、「メカホプジラ」と名付けてビールを販売したこの会社については、あまり似すぎていると商標法に引っかかるし、全然似ていないと「ゴジラ」の知名度を利用できないと考えて、微妙なところで「メカホプジラ」という名称を考案したようです。

最終的に和解し「メカ」に変更したということは、模倣を認めたものと考えられますが、この「メカホプジラ」という名前が、違法と合法のちょうど境界線のちょうど真ん中にぴったり位置しているような気がして、よく考えたものだなとかえって感心します。

いずれにしても、商標権等の知的財産権に関しては、模倣対策に常に目を光らせていなければならないことを示す事例だと思います。