2014年7月18日、F1ドライバーのニコ・ロズベルグはヘルメットのデザインを変更して、サッカーワールドカップのトロフィー画像を消したと述べた。
(参照:ホンダ「スーパーカブ」が立体商標登録

サッカー好きで知られるニコ・ロズベルグは、メルセデスAMGで活躍するドイツ人F1ドライバー。母国代表チームがサッカーワールドカップで優勝したことを喜び、母国で開催されるF1グランプリ第10戦ドイツGPに向けて自身がレースで着用 するヘルメットのデザインを変更し、中央にサッカーワールドカップの優勝トロフィーを配置した。

ところが、それに待ったをかけたのがFIFA国際サッカー連盟。優勝トロフィーのデザインは知的所有物として商標登録されており、許可なく使用できないという。

そこで、ニコ・ロズベルグはヘルメットのデザインを変更して法的な規則を順守する意向を示した。この背後には、サッカーワールドカップの公式スポンサーである韓国ヒュンダイ自動車からのクレームがあったことも指摘されている。

ワールドカップのトロフィーは特徴ある形をしていますし、よくテレビなどで映像が流れているので、知っている方も多いと思います。

ニコ・ロズベルグは2014年7月20日のF1のドイツグランプリで優勝したので、参加ドライバーの中で一番テレビ放送で画面に映ることが多かったと思います。

そこで、そのヘルメットに誰もが知っているワールドカップのトロフィーの画像がついていて、しかも、それが商標権者であるFIFAの承認を得ていなかったとしたら、F1業界も厳しいところですので、後から大きな問題となっていたかもしれません。

今回のFIFAの指摘の背後には、FIFAの公式スポンサーである韓国ヒュンダイ自動車があるとのことですが、韓国のサッカーチームはブラジルのワールドカップで予選H組を最下位で敗退、一方のドイツはワールドカップ優勝、2014年のF1では、現時点でドライバーズランキングではドイツ人のニコ・ロズベルグが第1位、コンストラクターズランキングでもドイツのメルセデスが第1位と、韓国の自動車会社にとっては我慢ならない状態なのかもしれませんが、そういった感情論のあるなしに関わらず、とにかく、F1とワールドカップの持つ影響力を考えると、今回のニコ・ロズベルグの取った行為は妥当なものであったといえます。

なお、商標は、指定している商品又は役務と同一又は類似する商品又は役務に使用した場合に問題となり、ロズベルグの行為が商標権侵害になるのかというと疑義が生じると思います。F1ドライバーという立場上、ヘルメットは広告の媒体の一つですから広告に該当する可能性はあるものの、果たして役務が一致するかは個人的には疑問を感じます。