2014年8月5日、ショウワノートは、「ジャポニカ学習帳」が立体商標として登録されたと発表した。ノートとして立体商標の登録が認められたのは、全国で初めてのことだ。
(参照:ホンダ「スーパーカブ」が立体商標登録

立体商標とは、商品やサービスを特定する立体形状を商標として登録する制度のことで、1996年の商標法の改正で設けられた比較的新しい商標の分野である。通常商標として登録されるものはトレードマークサービスマークなどの平面的な商標が多いものだが、今回のものはそれとは異なるものとなっている。2014年5月には、ホンダ技研工業「スーパーカブ」が乗り物として初めて立体商標として登録が認可された。

「ジャポニカ学習帳」が登録されたのは、立体商標(文字なしのもの)という種別である。1970年に販売を開始した商品で、表紙に植物や動物の写真が大きく印刷されているのが特徴となっている。

今回この商標登録が認められたことに関して、ショウワノートは、「デザインそのものが、当社の製品『ジャポニカ学習帳』であると分かることを意味している」としている。

今回のノートのデザインは、意匠法によっても保護できると考えられます。

ちなみに、有名なコクヨのキャンパスノートは意匠登録されています。

ところで、意匠権として登録できるのは、物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるものなどです。

そして、その権利化の目的が、意匠創作の奨励です。

一方、商標は、そのデザインなどにより、商品や役務を識別することができ、かつ、その商品や役務を販売している企業等を識別することができます。

そして、その権利化の目的が、業務上の信用を維持です。

ですから、今回の登録において、ショウワノートが立体商標登録を選択したということは、そのノートのデザインについて、それ自体ではなく、それが有する商標としての機能を主として保護したいと考え、同時に、デザイン自体の保護よりも、それが生み出すブランドの保護に重点を置いたものと考えられます。

なお、立体商標は文字や図形と結合した場合(今回の登録も該当します)、単なる文字のみや図形のみの商標よりも、より強力に権利を主張できるという特色があります。