6月11日、特許庁は、「地域団体商標」の登録主体が拡充されることを規定した法律が公布されたと発表した。(参照:「うすきうお天」と「がなある」 商標登録をしたのは高校生!?

地域起こしや地域ブランドの保護や普及、展開を図って設けられた地域団体商標。しかし、これを出願・登録できる団体が、農業協同組合等の協同組合団体に限定されていた。ところが、ご当地グルメなどの地域活性化イベントなどに取り組む商工会やNPO団体が増えているもののこうした団体は地域団体商標の出願・登録できる登録主体ではないために、人気を集めたご当地グルメを商標登録して保護することができないという事態となっていた。

そこで現状を踏まえた地域ブランドの保護という観点から今回の法改正が行なわれ、協同組合団体に加えて商工会・商工会議所・NPO法人(特定非営利活動法人)なども地域団体商標の登録主体として出願・登録が可能となった。

2006年に導入された地域団体商標制度は、初めは全国的な周知がなければ登録できなかったが、その後一定の周知があれば登録できるように改正され、さらなる緩和が行なわれることとなった。

最近は、本当にご当地グルメなどの地域活性化イベントの話題を耳にします。

その地域で生産される農産物や工業製品、海産物などを利用して特産品を企画・製造・販売することで、衰退した地域の復元に力を入れることは非常に良いことだと思います。

しかし、地域おこしのために良質の特産品を開発し、また、宣伝等が功を奏して販売量も増え、知名度が上がってくると、その商品の名前(ブランド)だけで売れるようになります。

そうすると、そのブランドを盗用する人がでてきます。このブランドの盗用を防ぐ手段がないと、製造・企画・販売に係る大変な労力の相当な部分が他人に奪われることになります。

今回の法改正で、地域団体商標の登録主体にこういう地域おこしの中核となる商工会議所やNPO法人が新たに加わったことは、このような人々がブランドの盗用の被害を被ることを防止できるようになるので、地域おこしの一層の発展に貢献することが期待されます。