2013年6月13日、特許庁は地域団体商標を海外向けに英語で紹介する小冊子「Regional Brands in JAPAN」を作成したと発表した。地域団体商標に登録されたブランドの中から、権利者の同意を得た528件の情報が掲載されている。英語での情報と共に商品などの写真も掲載され、日本製品に不慣れな海外の各団体や関係者にもわかりやすい構成となっている。
(参照:「船橋にんじん」が地域団体商標に認定

小冊子「Regional Brands in JAPAN - Regional Collective Trademarks -」は、主要各国の政府機関・商標審査機関に送付されると共に、特許庁ホームページに掲載されるほか、PDFファイルとしてダウンロードすることもできる。

地域団体商標は、地域活性化や地域ブランドの保護を目的として制度化された取り組みで、現在まで560件もの地域団体商標が登録されている。

海外において、例えば「さぬき」等日本の地名そのものが日本側の承認なく勝手に商標登録されることはよくあります。

このような地名の商標が海外において登録されると、日本で地域団体商標登録した商品又は役務を海外で販売しようとする場合、余計な商標のトラブルに巻き込まれる可能性が高まります。

このような勝手に登録される商標に対しては、その国においてその商標が日本の地名であることをその国の消費者に周知することが、登録の取り消しの場合にもその予防の場合にも効果があります。

特許庁が日本で地域団体登録された商標を紹介する小冊子を作成して海外の商標当局に配布することは、ただちにその配布先の国々の消費者に対する日本の地名の周知にはならないですが、商標当局にそれらを伝えることは他国の地名を勝手に使用した商標の登録の防止に一定の効果が期待されます。

広告・宣伝の意味ももちろんありますが、将来における商標トラブルの防止という観点からも、この小冊子の配布は意義のあることだと思います。