2015年1月9日、オリーブオイル搾油後果実を飼料化した「オリーブ飼料」が商標登録された。(参照:商標権の保有者を複数名の連名で登録することはできますか?

この飼料によって飼育された「オリーブ牛」は香川県の特産和牛ブランドとして提供されているが、このたびの「オリーブ飼料」の商標登録を受けてさらなる「オリーブ牛」の全国への発信や展開を期待されている。

「オリーブ飼料」を申請し認定された商標権者は、香川県農業協同組合と香川県食肉事業協同組合連合会となっている。今後は、やはり小豆島特産の和牛である「讃岐牛」に讃岐牛銘柄推進協議会が定める期間・給与量で「オリーブ飼料」を与えたものが「オリーブ牛」として認定・販売されていくことになる。

オリーブは、日本のオリーブ栽培の地として有名な小豆島の特産品であり、香川県の県木ともなっている。そこではオリーブの実を搾ってオリーブオイルを生産しているが、搾油後の果実を乾燥させて飼料化し、やはり小豆島で肥育されている讃岐牛に飼料として与えたところ品質の高い黒毛和牛としての肥育に成功した。

オリーブは動脈硬化や生活習慣病の予防に効くオレイン酸を豊富に含んでいるが、オリーブ牛も同様にオレイン酸を豊富に含んでおり良質の肉として期待が高まっている。

平成23年7月に香川県農業協同組合と香川県食肉事業協同組合連合会(香川県農協等)を商標権者として「オリーブ牛」が商標登録されました。続いて、平成25年3月に香川県農協等を商標権者として、「讃岐牛」が地域団体商標として登録されました。そして、今回、香川県農協等を商標権者として「オリーブ飼料」が商標登録されました。

「オリーブ牛」には、地域団体商標登録がなされている「讃岐牛」の中から、一定期間かつ一定数量の今回商標の登録がなされた「オリーブ飼料」を与えられた牛が該当します。つまり、一般の牛から選別された「讃岐牛」の中から、さらに選抜されたのが「オリーブ牛」となります。もちろん、「オリーブ牛」も商標登録済みです。

ここまで徹底してブランドで固めると、いったいこの牛はどういう味がするだろうかと、自然と食べてみたくなる気がします。ブランド牛の中からさらによりすぐった牛というイメージがあり、単なるブランド牛よりも、一層高級感が漂います。

今回の「オリーブ飼料」の商標登録は、複数のブランドを効果的に組合すことにより、商標登録の効果がより一層高まるということを示しています。これらのブランドを全国に発信することにより、まず香川県(讃岐地方)のPRになりますし、オリーブ及びオリーブ飼料のPRになります。そして、讃岐牛とオリーブ牛の宣伝にもなります。商標登録には、こういった利用方法もあるのだなと感心させられる事例でした。