2014年2月10日、特許庁は商標登録にかかる登録時の手数料の引き下げを検討しているとの方針を発表した。(参照:特許庁、特許や商標の料金引下げで国際競争力を強化

海外企業との競争が激化するなかで、日本企業がこれまで以上に商標登録しやすく、より知的財産保護ができるよう負担軽減を目指した取り組みとなっている。同様な理由で、特許料も同時に10%の引き下げをしたいという。

商標登録の場合、最初に登録する際の登録料は現在の1区分あたり3万7,600円を 25%引き下げた2万8,200円となる。また、登録後10年経過したのちに更新する際の更新料は4万8,500円から20%引き下げた3万8,800円となる。

2008年に料金改定をして以来のことで、特許庁としては関連した改正法案を今通常国会に提出したい構えだ。計画通りに行けば2016年までには料金引き下げが実現する予定である。

外国産の低価格商品が大量に出回っている昨近の状況下において、価格競争においては不利な立場にある日本企業が競争力を維持していくためには、量販品ではなく、多少高級感がある、差別化された、良質な商品を求める消費者層をターゲットにした商品販売戦略を展開していくことが重要と考えられます。

そして、そういった販売戦略を展開していくに当たり、非常に重要な役割を担うのが「ブランド」すなわち「商標」です。この「商標」によって、消費者は、数多くの同種の製品の中から、自分の信頼するメーカーが販売している商品を見分けて購入します。「良質な商品」であることは商標によって判断されます。ですから、商標がしっかりしていないと、商品差別化戦略はなりたちません。

商品差別化の重要性が増すにつれ、商標の重要性も増します。このような状況下、日本の特許庁が商標登録料の25%の引き下げを発表したことは、日本における商標権をより簡単に取得できるようにすることで、商標権の利用促進をより一層進めるものと思われます。ですから、今回の特許庁の商標登録などの料金の引き下げは、時代のニーズに適した適切な対応であるということがわかります。