「一円電車」の愛称で親しまれ、今はなき兵庫県養父市の鉱山鉄道・明神電車が商標登録を取得して商品化され、このほど「一円電車シール」として販売を開始した。
(参照:企業のロゴやブランドのマークなどの商標を出願する際の注意点を教えて下さい。

商標権を取得したのはNPO法人・一円電車あけのべである。2014年4月に商標取得に成功した。それを受けて養父市大屋町の「鉱石の道・明延実行委員会」「一円電車シール」を作成。このほど販売を開始したという。

シールのデザインは群馬県在住のグラフィックデザイナーである小松崎紀子さん。小松崎さんは大屋町在住時に旧明延鉱山のポスターをてがけたほか、現在でも鉱石の道・明延実行委員会の活動を応援している。

現在は一円電車関連グッズは小松崎さんのデザインで統一した缶バッジやせんべいなどを販売している。

一円電車は兵庫県養父市町の明延鉱山で活躍した鉱山電車である明神電車の愛称。 鉱山の従業員の通勤用に利用され、昭和62年鉱山の閉山に伴って廃止された。 現在は経産省・近代化産業遺産認定遺産リストに選定されている。

鉱山鉄道といえば、モータリゼーションの進展等により、現在ではほとんどが廃止されております。ですが、この廃止された鉱山鉄道が、その地域の町おこしに利用されることはよくあることです。

今回の兵庫県養父市大屋の明延鉱山の明神電車(通称一円電車)の商標登録もその一環と考えられます。こういった地域ブランドの商標登録は、そのブランドの維持もさることながら、商標登録に関連したニュースが全国に流れることにより、全国の消費者に認識してもらえることも大きなメリットです。

もちろん、せっかくデザイナーに依頼して創作したデザインですから、商標登録により第三者が模倣デザインの使用を防止することも非常に大切です。それと同様に、全国に「一円電車」の存在が知れ渡るのも非常によいことです。

特に、このような鉄道関係の商品は、一定の人たちが非常に欲しがりますから、全国に散らばるその人たちに存在を知ってもらうことは、商品の販売戦略上極めて重要な意味を持ちます。