2018年10月15日、秋田市の外食チェーンが秋田県伝統の蕎麦屋屋号「弥助そばや」を商標登録した。今後は老舗の名前と味を受け継ぎ、地域の文化を守るとともに秋田名物として全国展開したい意向だ。(参照:秋田県仙北の栗「西明寺栗」、地域団体商標に登録

商標権者は秋田市の外食チェーンであるドリームリンクとなっている。登録された商標「弥助そばや」は創業200年の伝統を誇る、秋田県羽後町にある老舗蕎麦屋の屋号だ。現在75歳の6代目当主が切り盛りする「弥助そばや」には、後を継ぐ後継者がいない。

そのため、ドリームリンクが商標と共に製造ノウハウや乾麺事業を譲り受けることとなった。羽後町と湯沢市にある店舗の営業はこれまでの当主が継続し、ドリームリンクでは立ち食いそばのフランチャイズ展開を目指す。「弥助そばや」で提供している西馬音内そばは、つなぎに海藻のふのりを使用した、二八配合の手打ちそばであり、冷たい汁でいただく「冷がけそば」が有名だ。

ドリームリンクは2017年には、やはり後継者不在の鹿角市「かづの銘酒」を買収し、事業を引き継いでいる。

もし仮に「弥助そばや」が店屋号の商標登録を行っていたとしたら、今回共同経営者となったドリームリンクに対して商標権の譲渡を行うか、ライセンス契約を結ぶ必要がありました。

「弥助そばや」は店屋号の商標登録をしていませんでした。そのため、今回は共同経営者であるドリームリンクが「弥助そばや」の商標権の登録を行う運びになりました。

「弥助そばや」は秋田県の羽後町のみを商圏とするお蕎麦屋さんなので、商標権の登録をする必要はありませんでした。しかし、共同経営者であるドリームリンクは蕎麦そばの全国展開を検討しているとのことです。そうなると、第三者が偽ブランドを展開する可能性が急に増大しますので、商標権の登録は必須となってきます。

言い換えると、ブランドの商標登録をすることによって地域を超えて全国展開をすることが可能になります。従って、今後の「弥助そばや」の活躍が大いに期待できます